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CARメルセデスベンツ・オールラインナップ試乗会

2012.01.18

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毎年恒例メルセデスベンツのジャーナリスト向けオールラインナップ試乗会が開催された。最新のメルセデスベンツを味わうのには絶好の機会である。製品力で自動車業界を牽引する実力派メーカーの今を探るべく最新鋭のメルセデスに試乗した。

数あるラインナップから4台をチョイス

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最新鋭のCクラスクーペ。リアトランクが独立したメルセデスらしいクーペ。後席も十分なスペースがある

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レーダーセーフティーパッケージを装備した新しいEクラスワゴン。実に落ち着きがあってどっしりとした走りを見せる

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昨年インポートカーオブザイヤーを受賞したのはマイナーチェンジされたCクラスだった

 数あるモデルの中で試乗できるのは4台。それをチョイスするのはなかなか難しい作業である。もっともこのうち2つは決められていて、残りのふたつをチョイスする。乗りたいモデルの中にはSLSなんていうのもあった。しかし、真冬の山中湖が舞台とあっては、あちこち凍結路面があって十分な印象は拾えないのでパワフルなモデルは控えたい。というわけで選んだのはカーオブザイヤーを受賞した最新のCクラスと、省エネしてもやんちゃな走りを披露するスマート・ブラバスの2台。ちなみにすでに決められていた2台は、デビューしたばかりのCクラスクーペと、レーダーセーフティーパッケージを装備したEクラスである。
 それにしてもお値段の差とは顕著なもので、やはりEクラスとCクラスの間には目に見えない巨大な壁が立ちはだかっている。以前はそれほど感じなかったのだが、乗った順番がCクラスクーペ、Eクラスワゴン、そしてCクラスセダンの順だったから、やはりEクラスの快適さとスムーズさが光った。思わずEクラスはエアサスが装備されているのかとスタッフに聞いてみたが、ノーマルサスペンションだというからそのスムーズネスは圧倒的だ。Cクラスはマイナーチェンジにも関わらず、昨年インポートカーオブザイヤーを獲得した。それだけ熟成が進み、メルセデス史上最高傑作のCクラスだそうだが、やはりEクラスには乗り味の面でかなわないのである。
 近年どのメーカーでも顕著なのが、いわゆるアイドリングストップ機構の導入で、これによって少しでも燃費を節減しようという努力をしている。既存のガソリンエンジン車の場合、エンジンを止めると再始動のためにどうしてもピストンの位置を制御する必要があって、そのために基本的には車両静止を確認してからエンジンを切る。またハイブリッドカーのように多くのバッテリーを搭載しているわけでもないので、クルマによってはエンジンが切れるとエアコンが切れたり、パワーステアリングが動かなくなったりするが、メルセデスはそれが無い。Cの場合、パワーアシストは途切れるのだが、ステアリングを回そうとすると自動的にエンジンがかかる。一方のEクラスは電動パワーステアリングでエンジンが切れていても自由に回せるので安心感が強い。さすがにレーダーセーフティーセンサーを試す勇気はなかったが、万一の際、前方を常にミリ波レーダーで監視している車両が、自動的にクルマをとめてくれるというもの。やり方は異なるがスバルのアイサイトやボルボのヒューマンセーフティーなどがそれに当たる。最新のモデルにはこうした安全デバイスが満載で、ドライバーをアシストしてくれるのだが、まずはそれが万能ではなく常にドライバーが神経を行き届かせているのが前提条件だろう。

 

どっしり感、重厚感こそメルセデスの持ち味

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スマート・ブラバス。とにかく走りはやんちゃである。それに速い

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250ブルーエフィシェンシーと呼ばれる1.8㍑4気筒ターボエンジン。1.8㍑ながら204ps、310Nmの性能を持つ

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こちらはEクラス用3.5㍑V6。さすがに4気筒に比べるとさらにスムーズで静粛性に富む

 ヨーロッパのメーカーに限らずダウンサイジングは最近の傾向で、メルセデスは4気筒1.8㍑エンジンを省エネの基本においている。今やこのエンジンはEクラスにも採用されているのだ。ちなみにVWやアウディは1.4㍑。BMWはダウンサイズしていないがやはり直4、2㍑ターボを主力エンジンに持ってきている。メルセデスの1.8㍑は最強のもので204ps、310Nmの実力を持ち、かつての3.2㍑V6に匹敵するパフォーマンスだから、パワー不足を心配する必要は皆無である。
 一時メルセデスはBMWのスポーティー路線を追いかけたことがあったが、ここ数年は再びメルセデスらしさを取り戻し、独自の路線を構築している。それはどっしりと落ち着いた走りに代表される安定感。そうはいっても元々極めて正確なハンドリングと強固なボディ/シャシーが持ち味だったから、BMWのようなクィックさは無くても飛ばせば十分に安定して速い。デザインにはやや保守的傾向がみられる近年のメルセデス。かえってそれが狙いなのかもしれない。
 異端なやんちゃグルマ、スマート・ブラバスは先代モデルでも十分に高速の追い越し車線を我が物顔で走れたのだが、排気量が大きくなり、ボディも一回り大型化した結果、単なる都市内の移動用にしておくのはもったいないほど高速性能が向上している。ただし、ホイールベースの短さだけは覆い隠すことが出来ず。やたらとぴょこぴょこ跳ねる。しかし、一人でふらっと旅に出るには実に重宝するモデルでもある。
 やはりメルセデスは大人のクルマという印象が強い。裏を返すと誰にでも似合うとは思えないのだが、日本人はメルセデスが好きだ。あのスリーポインテッドスターのエンブレムを見るとやられてしまうらしいが、その質感や性能、それに走りを見るとやられても仕方ないかな…と思う。

photo&text: 中村孝仁
special thanks:
メルセデス・ベンツ日本株式会社
http://www.mercedes-benz.co.jp
 

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